数年間音楽を聴かなくなったことがありました。
その主な原因が、娘のAKB・ジャニーズ好きと妻のEXILE好きのおかげで、私には響かない音楽ばかりが周りで流れていたからです。
以前はそこまで極端な趣向ではなかったので、その時の流行りの曲を聴いたりしていたのですあまり気にならなかったのですが、さすがに秋元康系+ジャニーズ系+LDH系の音楽ばかりになるとなかなか苦痛です。
「売れ筋を狙っている意思が透けて見える曲」
を聴く事は耐えられませんでした。
そうしてだんだん度が過ぎてきて
車の移動中は完全に三代目J SOUL BROTHERSやHey!Say!Jump!の楽曲に支配されていて、新曲をエンドレスリピートのまま運転させられる事も多々あります。
もうそれが嫌で嫌で仕方がありませんでした。
だから、何となく音楽から離れてしまう事に。
しかし、音楽を聴かなくなってから数年後、気が付くとCMから流れてくる宇多田ヒカルさんの曲に意識が引き込まれていきました。
そして「音楽を聴きたい」その気持ちを呼び起こしてくれました。
やっぱり好きな音楽を聴きたい!
もう、聴きたくない音楽は聴きたくない。
そう思ってしまいましたので、妻と娘を乗せている時は仕方なく私だけイヤホンで別な音楽を聴く事にしました。
でも、音楽を好きでも「聴きたい音楽」と「聴きたくない音楽」があるのは何となく不思議な気もします。
そんなある日の話です。
録画していたとある音楽番組を娘が見ていたので、私もちょっとだけ一緒に見ました。
その時無意識に
「○○って歌下手」
「○○って歌上手いで売ってるんじゃないの?」
なんて、自分でも分かる余計な一言をつい言ってしまいました。
そしたら娘が
「いちいちそんなこと言われると不快だ」
「こっちは楽しく見てるんだから余計な事は言うな」
…まあ、ごもっともです。
「歌が上手いなんて誰も求めてないんだから」
なかなかショックなセリフが出てきました。
実際に聴くと悲しくなります。
確かに余計な事を言った自覚はありますけれど、ネットのセリフを自分の娘からリアルで聴く事になるとは…
言い訳ですけれど、音楽番組を見てついガッカリした心の声が漏れてしまっただけなんです。
歌っている事自体に価値がある人がいるのは充分に分かっています。
あなたが好きなAKBやジャニーズには間違ってもそんなこと言っていません。
たまに目にする日本の音楽ランキングがアイドルで埋め尽くされていても、そこに問題があるとは思っていません。
魅力ある楽曲を提供できたのか、売れる戦略を取れたのか、そういう総合的な話だと思うからです。
でも…
生歌上手い歌手がランキングに思うように食い込めないのは何故か?
生歌上手い歌手が売れない土壌なのか?
生歌上手い歌手が売れ筋を狙わない(狙えない)のか?
生歌上手い歌手を扱える人がメジャーレーベルには少ないのか?
いろいろ考えてしまいます。
いずれにしても、ランキングの上位に「生歌上手い歌手」が数人はいて欲しい気持ちはあります。
Aimerさんがランキングに食い込むのには少し救われていますが。
ランキングの上位にいて「歌手」を名乗っている人達には、
わざわざTVに出てきて下手な生歌を聴かせるんじゃない
と思ってしまいます。
本当にその歌声で大丈夫?
恥ずかしくない?
ライブならそのアーティストのファンだけなので好きにすればよいと思いますが、不特定多数が見るTVでそのパフォーマンスなのは不快でしかありません。
その心臓の強さは流石だとは思いますけどね。
必要最低限のパフォーマンスが出せないのなら出て欲しくはありません。
テレビの影響力は低下したのは間違いないですが、それでもまだまだ影響力がありますから、
日本の音楽業界はその程度
という印象を多くの人に持たせてしまうのは大きな罪だと思うのです。
私にも一時期ありましたが
「日本の音楽業界はレベル低いから聴くなら洋楽」
そう思うのは仕方のない事だと思います。
しかし、このブログを始めて
日本人にも歌唱力が高い歌手はいる
という事が分かりました。
音楽性も様々でかなり面白いアーティストいます。
それが分かって現状に不満が湧き出てきました。
そんな不安定な歌声は聴きたくない
プロのパフォーマンスとはとても思えない
評価に納得できない
等と…
そして思い出します。
ネットのネガティブコメントの事を。
…全てに当てはまる訳ではないですが
パフォーマンスに不満
→不満を口に出す
→そばにいる人から余計なこと言うなと言われる
→仕方ないからネットで誰かと共有したい
→つい書き込んでしまう
…そういうパターンもあるのかな?と。
私もあるグループの歌声が酷すぎてつい誰かと共有したくなります。
…実際はしないですけどね。
そこで「嫌なら見るな」になる訳ですけど、それは違う気もしています。
「知りもしないで評価するのだけはしたくない」
「人の評価はあてにしない」
「実際に自分が確認して評価する」
というのが私の想いがあります。
だから、実際に聴いていないのに評価する事はしません。
そうは言っても…
実際に聴くと不満
→不満を発散したい
→文句を言いたくなる
…という負のスパイラルに陥る可能性はありますけれどね。
もちろん逆パターンもあります。
実際聴いてよかった
→感動を分かち合いたい
→人に勧めたい
…というのが。
良かったパターンはこのブログに載せるので、無駄に人に押し付けることなくここで発散できています。
しかし、聴いて不満になった場合が若干問題です。
何の感情も湧かなければ問題ないですけど、たまにかなり不快な気分にさせる曲がありますから。
まあ、考え方としては
「何の感情も湧かない歌声」
より
「不快な気分にさせる歌声」
の方が人の感情を揺さぶるという意味では上な気もしていますけれど。
だからという訳ではないですが、「ネガティブ評価」も評価の一つであるとは思っています。
ただ、それと誹謗中傷は違うと思いますし、それを不特定多数に発する自分になりたくないとは思っていますので、ネガティブ評価の表現方法は気を付けないといけないとは思います。
まあ、プロの歌手と名乗るのならば歌が上手いor下手と言われることぐらいは、甘んじて受け入れなければいけないと思っていますけれどね。
しかし、評価してもらえるのはまだ興味がある証拠なのかも知れません。
私だったら
ダメだったら二度と聴かない
ただそれだけです。
そして
時間が経てばそのうち忘れます。
でも、一度聴きたくないと判断しても成長の可能性があるのならば、思い出せれば再度聴く可能性はありますけれど。
ちなみに…
どうやって
生歌上手いを判断するか
それが実は問題です。
個人的には「生歌上手い」は千差万別の価値観だと思っています。
「どこかの音楽関係者」が決めるものではないと思います。
「音楽をクリエイトする」プロであっても、「歌を聴く」という事に関してはあくまで観客の1人でしかありません。
その観客の1人が他の観客の感覚が分かるとは思えません。
もしかしたらその人1人だけしか良いと思わないかも知れません。
そうなるとやっぱり全員が納得する答えが無い以上、投票で決めるのも仕方がないと思っています。
それで全て解決とは思っていないですけど、それならば納得するというだけですが。
あと、生歌上手い歌手の出演につながるかは分かりませんけど、純粋な人気投票で出演者を決める音楽番組があったら面白いと思っています。
・今週はランキングの41~50位が出演です
・来週はランキングの1~10位が出演です
とか。
もし仮に人気投票で今と変わらない状況ならそれはそれで諦めがつきますからね。
…と、娘の言葉から色々考えてしまいました。
「歌が上手いなんて誰も求めてないんだから」
それも一つの考え方なので否定はしませんが、それで良いのか?とは思います。
少なくとも私は「生歌上手い」歌手が好きなのでね…
しかし、そんな事をはっきり言う娘に
すがすがしい気持ちにもなりましたが…
探していないだけかもしれませんが、共有出来る人が周りにいないのが少しだけ寂しいです。
どこかに似たような歌手を好む話が合う人がいないかな…
いなければいないでも気にはならないですが、出会えたら嬉しいです。
でも…
歌が上手い事を求める人ってそんなに少ないものなのでしょうか?