kmm295のブログ

May j.さんは歌が上手いと思うけど他はどうなの?から始まった女性シンガーメインのブログだったが最近は方向性を探ってる感じ。

「歌唱力」や「表現力」について考えてみる。

・「歌唱力」とは?

・「表現力」とは?

かなり漠然ですが考えてみました。

 

歌唱力が高い

と全員が同じ評価をする事はあるのでしょうか。

多分それは無いだろうとほぼ確信しています。

 

そこで考えるのは歌唱力とは何か?という事です。

私がいろりろ考えた結果「歌をその場に安定して存在させる力」それが歌唱力なのだと何となく思っています。

逆を言えば、その歌の存在が不安定で観客が不安になったり、違和感を感じたりしてしまう状態になってしまう歌声が「歌唱力が低い」というのではないでしょうか。

 

だからこそ歌唱力とは絶対的なものだと思っていました。

曲や声質などの好みは個人差があってもそこは共通の認識になると思っていました。

しかし、そこでふと思った事があります。

そもそも皆が同じ音を同じように聴こえているのだろうか、と。

自分でさえ聴こえ方がいつもと異なる日があります。

同じ場所にいたからと言って皆が同じく聴こえているとは限らないのではないでしょうか。

そうだったとしたら感じ方に個人差があるのは当然の話です。

 

そこでさらに考えました「歌唱力が高い」とはどのような状態なのかと。

多分、それは「結果の話」なのではないかという気がしてきました。

歌手側は歌い終わってみたら歌唱力が高い歌を歌えた。

観客側は聴いてみたら歌唱力の高い歌が聴けた。

そういう事なのだろうと思えてきました。

「歌唱力が高い」とは儚いもの

なのかも知れませんね…

 

最近いろいろ聴き比べしている中で植村花菜さんの「トイレの神様」を聴いたら涙があふれてきました。


トイレの神様(in小樽)/植村花菜

 

トイレの神様

トイレの神様

  • provided courtesy of iTunes

とても久々に聴いたのですがとても良い歌でだと感じ聴いていると自然と涙が流れてきました。

しかし、この曲が世間で騒がれていた当時はそのように感じる事も、涙が流れることもなかったです。

年齢を重ねてきた今では心境も感じ方も変わったからこそ心に響いてきたのだと思います。

同じ一人の人間でも年齢や状況で感じ方が変わる、という事なのでしょう。

 

では別な歌手が同じ曲を歌ったらどうなるのでしょうか?

同じく私は感動するのでしょうか?

これは予想の話ですが…仮に「表現力が高い」と言われている別な歌手が歌っても、同じようにはならない、そうは思っています。

今回の事は「トイレの神様」という曲の、詞とメロディーと歌声の組み合わせによって完成したとても高度な表現によってもたらされた結果である、といういう気がしています。

ですから、歌手個人の「表現力」という話ではなく、「表現力が高い」状態というのは歌手個人の力だけではない、そういう事ではないかと考えています。

観客としては「歌がどのように聴こえるか」それによってしか評価は出来ません。

表現力を高める為の技術があり、ある程度は向上できるような気がしますが、人を感動させる為にはそれだけでは到達できないような気がします。

 

では、どうすれば良いのか…というのを考えてみます。

まずは「歌手と曲との相性」を考えるのがまず必要だと思っています。

・歌詞との相性

・メロディーとの相性

・演奏との相性

その曲の世界に歌手がどのように関われるか、そこが重要なのだと思います。

 「トイレの神様」という曲と植村花菜さんはかなり深いつながりがあるのは明白です。

自身の体験を元に想いを込めて作詞した曲だからです。

だからこそ自身の想いがにじみ出てきて人々の心に届く歌になったのだと感じています。

 

しかし、そこで考えなければいけないのが、同じ歌手が同じ歌を歌ったのにも関わらず、私が涙が流れてきた時もあればそうではない時もあったという事です。

同じ表現をしたのにもかかわらず同じようには感じ取れなかったという事実です。

先ほど「歌手と曲の相性を考える」とありましたが、それと同様に「観客との相性を考える」必要もあるのではないか、そうも思います。

歌手と曲と観客の相性が良いからこそさらなる感動が生まれるのだろうと推測しています。

そして、それは狙って出来るものではないかも知れません。

 

その曲に没頭できる時に観客として「表現力が高い」と感じます。

「表現力を高い」状態にするには少なくとも観客をその曲の世界に引き込まなければなりません。

その為にどうするかの正解があれば苦労しないところではありますが、少なくとも曲がどのようなものかを知り、自分の歌声がその曲にどのような影響を与えることが出来るのかを知る必要はあると思います。

それを元に実際に披露した時に観客がどのような反応を示しているのかを感じる事ができ、その反応に合わせて場の空気を創っていくことも必要だと思います。

独りよがりに発するだけでは観客がその世界に没頭してくれるとは思えません。

また、これも歌唱力の話と同じで、終わってみたら表現力が高い状態だった、そういう事にもなるのだろうと考えています。

安定して「高い状態」を保てる人が「歌唱力が高い」「表現力が高い」と言われる人なのではないでしょうか。

 

歌手としては

歌唱力は表現力を高めるための手段の一つ

表現力=歌唱力+理解力+影響力+α

ということなのだろうと。